不動産投資がサラリーマンの副業に最も適している理由:就業規則には抵触しない?

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最近「サラリーマン大家」・「週末大家」などの言葉をよく見かけるようになりました。資産形成の方法として、副業で不動産投資を始めたいと考えるサラリーマンの人は増えています。

しかし、副業をすると会社の就業規則に違反するため、踏み切れないという人もいるのではないでしょうか。

不動産投資は、物件数を一定以下に保てば「事業規模」とはみなされません。

また、副業を容認する会社は増えていますが、具体的に世間ではどの程度増えているのかと疑問に思う人もいるでしょう。

近年広がりつつある副業の現状と、サラリーマンが副業として不動産投資をするときの注意点などについて解説します。

目次

1.広がる副業
1-1.厚生労働省が発表しているモデル就業規則
1-2.副業を容認している会社の割合

2.不動産投資がサラリーマンに向いている理由
2-1.不動産投資は会社の仕事の妨げにならない
2-2.サラリーマンは融資を利用しやすい

3.副業で不動産投資をするときの注意点
3-1.会社の機密情報を漏洩しない
3-2.物件数に注意する
3-3.確定申告をする

まとめ

1.広がる副業

副業

政府は「働き方改革」を掲げて様々な政策を進めています。また、2017年には、多くの大手企業が副業を容認すると表明しました。

最初に、副業容認を広める国の動きと、世の中の会社の動向について解説します。

1-1.厚生労働省が発表しているモデル就業規則

従業員を10人以上雇用している会社は、労働基準法の規定に基づき、就業規則を作成しなくてはなりません。

厚生労働省は、各会社が手本とするべき「モデル就業規則」を作成しています。2019年3月に発表されたモデル就業規則には、以下の規定があります。

  • 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる

※引用:厚生労働省 モデル就業規則 第14章

また、モデル就業規則には、過去の裁判所の判例に従って、労働者が副業・兼業できることを明示していると注釈が加えられています。

1-2.副業を容認している会社の割合

株式会社リクルートキャリアが日本全国の会社を対象に行ったアンケート調査では、回答した会社の30.9%が兼業・副業を容認・推進するとしています。

2018年時点の調査では、容認・推進している会社の割合は28.8%でした。兼業・副業を容認・推進する会社の割合は増えていることがわかります。

しかし、増えているとはいえ、まだ大多数の会社が兼業・副業を禁止している状況です。2018年時点の調査では、禁止している会社の約45%が「副業が社員の長時間労働・過重労働を助長する」を理由にあげています。

また、「情報漏洩のリスクがあるため」という理由をあげている企業も34.8%にのぼりました。

※参照:株式会社リクルートキャリア プレスリリース
※参照:株式会社リクルートキャリア 兼業・副業に対する企業の意識調査(2018)

2.不動産投資がサラリーマンに向いている理由

リビングで談笑する男性

会社が副業を禁止する理由として特に多いのは、労働時間の問題と情報漏洩の問題です。 視点を変えて考えると、この2点をクリアできれば、副業をとがめる会社は少ないと考えられます。

ここに、不動産投資がサラリーマンの副業として向いている理由があります。

2-1.不動産投資は会社の仕事の妨げにならない

まず、不動産投資に「労働時間」はほとんど発生しません。

入居者募集や家賃の集金など細かい手間は、すべて賃貸管理会社に任せられます。賃貸管理会社と打ち合わせをする、契約書にサインするなどの手間はありますが、これらは頻繁に発生するものではありません。

また、株式投資やFXなど金融商品とは違って、不動産投資は、毎日値動きを気にする必要もありません。

サラリーマンが不動産投資をしても、会社の仕事に支障が出るほど時間を割かなくてはならないケースは非常に少ないです。

2-2.サラリーマンは融資を利用しやすい

もう1点、労働時間とは別に不動産投資がサラリーマンに向いている理由があります。サラリーマンは安定した収入を見込めることから、融資を利用しやすいことです。

融資の審査において、申込者の収入はとても重要なポイントとして見られます。少ない元手で利益を最大化するというのは、投資の基本的な考え方です。サラリーマンであれば、不動産投資でこの考え方を実践できます。

3.副業で不動産投資をするときの注意点

注意表示

時間・融資の観点からサラリーマンには不動産投資が有効です。しかし、いくつかおさえておくべき注意点もあります。

3-1.会社の機密情報を漏洩しない

副業を禁止する理由として、多数の会社が「情報漏洩」をあげています。会社の顧客情報や財政状況など、会社の機密情報を社外で口外しないことが重要です。

万が一の場合、責められるポイントがあると立場的に弱くなってしまいます。

3-2.物件数に注意する

不動産投資が明確に「事業」であると判断されるには、基準があります。所有する物件数が5棟10室以上であることです。

5棟10室以上になると、確定申告のときに「事業的規模」であると判断されます。

※参照:国税庁 タックスアンサー

会社とのトラブルを避けるためにも、物件数は基準以下に抑制するほうが無難です。

3-3.確定申告をする

会社に副業を疑われるケースとして多いのは、住民税が急に増えることです。確定申告をすれば、税金の増加によって副業が会社に発覚することを防げます。

大半のサラリーマンは、所得税や住民税を給与天引きにして支払っています。不動産投資によって利益を得ると所得が上がるので、税金も上がってしまうのです。

確定申告をするときに「普通徴収」の方法を選択すれば、給与天引きではなく自分で税金を支払うことになります。税金を自分で支払うことにすれば、副業が会社に発覚しにくいです。

なお、「普通徴収」とは別に「特別徴収」という方法があります。特別徴収は、会社が給与から天引きして税金を支払うやり方です。

まとめ

不動産投資は、ほかの投資と比較すると安定性が高く、年金対策や資産形成として非常に向いています。一方、依然として多数の会社は就業規則で副業を禁止しているのが現状です。

しかし、不動産投資は一定以下の規模を保てば事業とみなされません。また、手間や時間がかからないなど、不動産投資にはサラリーマンの副業として有利なポイントが多いです。

そのほか、確定申告をして情報漏洩にも気をつけていれば、会社とのトラブルは回避できます。少しでも不動産投資に興味がある方は、ぜひ前向きに検討してみてください。