不動産投資の初心者が陥りがちな3つの失敗例と対策

国内不動産投資関連の記事

副業や投資などが広がってきた昨今、資産形成の方法として不動産投資を検討する人が増えています。しかし、失敗が怖くて踏み切れないという人も多いのではないでしょうか。

初心者が不動産投資に失敗する原因として最も多いのは、情報収集が不足していることです。不動産投資に失敗しないためには、一例として、以下の情報を集めることが必要です。

  • 投資エリアの人口や世帯数
  • 候補物件のキャッシュフロー
  • 周辺相場

この記事では、不動産投資の初心者が陥りがちな失敗例と、失敗しないための対策について紹介します。

目次

1.不動産投資の初心者が陥りがちな失敗例
1-1.失敗例①:周辺環境の変化によって空室が長期化
1-2.失敗例②:ローンの返済を滞納してしまった
1-3.失敗例③:新築物件に投資して失敗

2.不動産投資で失敗しないための対策
2-1.対策①:人口統計などを参考にして物件を選ぶ
2-2.対策②:キャッシュフローを確認して物件を選ぶ
2-2-1.キャッシュフローを計算するときのポイント
2-3.対策③:投資する前に周辺相場を確認する
2-4.対策④:物件売却時の税金に注意する

まとめ

1.不動産投資の初心者が陥りがちな失敗例

割れた皿

情報収集が不足しているとどのような失敗が起こるのか、初心者が陥りがちな失敗例について紹介していきます。

1-1.失敗例①:周辺環境の変化によって空室が長期化

特定の大学や大企業の工場などに近いから、入居者は途切れないと言われて投資したパターンです。物件購入後に大学のキャンパスや工場が移転したため、入居者が入らなくなったという失敗はよくあります。

特に、駅から遠い立地の物件は要注意です。駅から遠いと入居者探しの難易度が高くなります。結果的に家賃を下げざるを得なくなり、利回りが極端に低下することにもなりかねません。

また、売却しようとしても、周辺施設が移転することで、極端に売却価格が下がることは多いです。入居者を周辺施設に依存している物件は、リスクが1つ増えることになります。

1-2.失敗例②:ローンの返済を滞納してしまった

投資初心者向けのセールストークとして多いのは、フルローンを利用可能というものです。フルローンとは、物件価格や諸経費などを全てカバーするローンのことを指しています。

元手がなくても始められるものの、ローン返済やその他の経費を払った結果、手元に残る金額は赤字ということがあります。節税を考慮すれば黒字になる、生命保険代わりに投資すれば良いなどセールスする不動産会社は多いです。

しかし、注意が必要なのは、不動産運用にかかる諸経費は時間経過によって上がっていくことです。また、万が一空室が長期化すると、赤字は一気に膨れ上がる可能性があります。

赤字が大きくなると、ローンの返済も滞る可能性が高いです。投資した結果、最終的に現金がいくら残るのか確認せずに投資すると、このような失敗が起こります。

1-3.失敗例③:新築物件に投資して失敗

売却額が購入価格よりも大幅に下がった結果、ローンの残債に届かず借金が残って失敗というケースです。投資したものの、不測の事態によって、物件を購入後すぐに売却を迫られるということもあります。

新築物件は特に、短期で売却すると結果的に失敗するケースが多いです。新築というだけで、周辺相場よりも高い値段がつけられていることもあります。

この失敗は、特に周辺相場の確認不足が原因です。利回りだけに目を奪われてしまい、情報収集が不足している状態で投資すると、このような失敗が起こります。

また、売却した結果、想定していなかった税金がかかって失敗ということもあります。事前のシミュレーションがとても重要です。

2.初心者が不動産投資で失敗しないための対策

男性とタブレット

ここからは、紹介してきた失敗を避けるために有効となる対策について解説します。

2-1.対策①:人口統計などを参考にして物件を選ぶ

まず、特定の学校や企業に近い物件よりも、駅に近い物件を選ぶ方が、失敗の可能性は下がります。不動産投資は、短くても数年単位の期間継続して行うものです。時間の経過とともに、周辺環境が変化する可能性もあります。

特に、人が増えているエリアの駅近を選べば、空室による失敗の可能性は下げられます。人口や世帯数の推移などは、各市区町村がホームページで確認可能です。

信ぴょう性の高い、公的な統計に基づいてエリア選定をするのが有効です。人口や世帯数が減っているエリアで投資すると、将来的に空室が発生するリスクが高くなります。

2-2.対策②:キャッシュフローを確認して物件を選ぶ

事前にキャッシュフローを確認して物件を選ばないと、投資に失敗する可能性が上がります。

キャッシュフローとは、賃貸運用によって手元に残る現金のことです。不動産の賃貸運用には、賃貸管理費や修繕費などの諸経費がかかります。毎月入ってくる家賃から諸経費を差し引いた金額がキャッシュフローです。

また、一般的に「利回り」と呼ばれるのは「表面利回り」のことです。表面利回りを計算するときには、賃貸運用にかかる諸経費を考慮しません。投資物件の広告には、表面利回りが使用されていることが多いです。

ローンを使って投資すると、投資運用して得た利益から元本返済と金利の支払いを行います。キャッシュフローが少ない物件に投資すると、返済と金利支払いが滞る可能性は高いです。

2-2-1.キャッシュフローを計算するときのポイント

把握しておくべきポイントは、2年間のうちに2〜3ヶ月は空室が発生する可能性があることです。入居者が入れ替わる時には、2〜3ヶ月程度空室が発生します。退去後のクリーニング・部分補修・新入居者の募集などを行うためです。

また、一般的な賃貸借契約の期間は2年間です。一度契約期間が満了すると、入居者が必ず契約を更新するとも限りません。 最低でも、24ヶ月のうち、3ヶ月は空室が発生する前提でシミュレーションする必要があります。

シミュレーションの結果、キャッシュフローがマイナスになる物件は投資を避けるのが賢明です。

2-3.対策③:投資する前に周辺相場を確認する

新築物件に投資するときは、より入念に周辺相場を確認しておくことが重要です。周辺相場から乖離した価格で物件購入すると、売却するときに価格を極端に下げないと、売れない可能性が上がります。

新築物件は、売主の利益が価格に含まれるため、周辺相場よりも2割〜3割程度割高になっていることが多いです。

また、投資用物件のデベロッパーは、利回りと家賃相場から逆算して物件価格を決めていることもあります。例えば、東京23区内であれば、表面利回り4%になるよう設定するなどです。この価格設定には、周辺相場は考慮されていません。

もともと周辺相場よりも高い物件に投資すると、物件を売る時にも高い価格で売り出す必要に迫られます。価格設定は、不動産を売るときに最も重要なポイントとなります。買い手は、物件を選ぶときに、最初に価格で判断することが多いからです。

2-4.対策④:物件売却時の税金に注意する

不動産を売却すると、不動産譲渡税という税金がかかります。また、不動産譲渡税は、物件を保有した期間が短いと税率が高いです。

  • 短期譲渡の場合:物件売却益の約40%
  • 長期譲渡の場合:物件売却益の約20%

長期譲渡と短期譲渡との境目は、5年間です。

物件を購入した翌年1月1日以降5年を経過してから売却すると、長期譲渡となって税率が下がります。

短期譲渡の税率で課税されると、結果的なキャッシュフローが赤字になる場合もあります。最低でも5年〜6年間は物件を保有する前提で投資計画を立てるのが賢明です。

なお、不測の事態によって短期で売却する場合に備えて、不動産投資で得たキャッシュフローはストックしておくことをおすすめします。

まとめ

初心者が不動産投資に失敗しないためには、自分の印象に頼らず、事実に基づいて判断することが重要です。「見た目がきれいだったから」などの理由で物件を選ぶと、失敗の可能性がぐっと上がります。

人口や世帯数は市区町村のHPで調べられるほか、賃貸運用に必要な経費・周辺相場なども本やwebで確認可能です。

情報収集は、時間はある程度かかるものの、それほど難易度が高いことではありません。不動産投資の初心者でも十分対応できます。

また、情報収集自体に失敗ということはないので、時間をかける価値は大きいです。

初心者でも不動産投資で資産形成はできます。情報収集を怠らないよう気をつけながら、チャレンジしてみてください。